コッツウォルズのティールームとカフェ:女子ひとり旅日記

コッツウォルズ地方

イギリスでどこに行きたい?と聞かれたら必ずトップ5には入る場所があります。

それは観光地として人気のコッツウォルズ。このコッツウォルズにおいて、ある冬の、ある英国紳士の出会い、ある小さな村のカフェで飲んだ忘れられない甘いホットチョコレートの心もホットあたたまる旅の思い出を書きました。

プロローグ 12月のコッツウォルズ

今でも忘れられない飲み物があります。

それは、ホットチョコレート。

場所はイギリス・コッツウォルズ。

ある小さなまちの

ある小さなカフェで飲んだ温かな飲み物。

流行っているカフェでもないし、

そんなに珍しいものでもないけれど

なぜ、忘れられないかといいますと...

あれは、2019年の暮れの12月のことです。

空は真っ白、寒い冬の時期に、

イギリス・コッツウォルズのモートン・イン・マーシュという村に行った時です。

目的地のチッピング・カムデン村へ行くために中継地点として電車で降りた村でした。

日本語表示あります

モートン・イン・マーシュからチッピング・カムデンへ行くための交通機関は車か、タクシーまたは1時間に1本のバスです。

公共交通機関使用の旅行者である私は1時間に1本のバスに乗ります。

バスが来るまで、まだまだ時間がありましたのでモートン・イン・マーシュの村でぶらぶらすることにしました。

モートン・イン・マーシュには、電車の駅があり、村々が集まるコッツウォルズの玄関口でもあります。

インフォメーションセンター、ホテル、カフェ、アンティークショップ、レストランはもちろんありますが、村のメインストリートはそんなに大きくはなくゆっくり歩いても時間がかかりません。

しかしのんびりしすぎて

もうすぐバスの時間だ!と

バス停に行った頃には時遅し。

乗りそびれました。

次のバスまで待つしかありません。

バス停で待っていたら、ぽつぽつ雨も降りだしてきました。

イギリスの冬は雨が降りやすいです。

冬でしたので

だんだんと体が冷えてきました。

ティールームでの出会い

寒い外でバスを待つのはやめようと思い、

この村をぶらぶらしていた時から気になっていたバス停のすぐそばにあるティー・ルームに入ることにしました。Tea Tabroという店名です。

at Tea Tabro

チェーン店なのでしょうか、メニューにほかの店舗名も載っていました。

店内には、おいしそうなキャロットケーキ、チョコレートケーキなどが

ケーキスタンドに並んでいたので食べたいなと思いましたが、

次へ行く村で甘いお菓子を食べる予定でしたので我慢することにしました。

暖かい紅茶で一息。

ボーとしながら外を眺めたりしながら時間を過ごしていました。

もうすぐバスが来るのでお会計をしようと席を立とうとしたら、

私の席の近くでお茶を飲んでいたご年配の紳士が

「どこから来たの?」と私に声をかけてくれました。

そして、私がチッピング・カムデンへ行くことを話したら

車で私をチッピング・カムデンまで乗せていってくれるとのこと。

最初は、車に乗って大丈夫かな?と思いました。

なぜなら80歳以上の方でしたので運転が心配だったのです。

しかし乗せて行ってくれるのなら助かります。

これも何かのご縁だと思い、送ってもらうことにしました。

紳士とプチ・デート

この紳士、

毎週、楽器の習い事でモートン・イン・マーシュとチッピング・カムデンを往復しているとのこと。

また、若いころから車に乗っていたらしく運転はプロ並みです。

時速制限以上の速さで走るのもへっちゃらです。

心配ご無用でした。

ですが、助手席に乗っていた私は、スピードが出るたびにハラハラしていました。

バスに乗っていたら通らなかった民家を通り抜け、

コッツウォルズらしい田舎の家々を見ながら、

バスで行くと1時間はかかるところを、あっという間に20分以内で到着できました。

フロントガラスからの景色

チッピング・カムデン村に到着して、紳士はすぐに帰るのかなと思っていたら

一緒にカフェに行こうと私を誘いました。

いつも通っているカフェへ連れて行ってくれるとのこと。

プチ・デートです。

お店の名前は「da Stefania」。

メインロードに面した

ある細い路地を入って行くと、

小さな広場になっており、数店舗が集まっている建物の中に

そのカフェはありました。

こちらのカフェの名前はイタリア人のStefaniaさんが一人で切り盛りしているようです。

店内はこんな感じ

この紳士がいつも飲んでいるホットチョコレートを

頼んでくれました。

お皿にたくさんの小さなマッシュルームと一緒に運ばれてきました。

そのマッシュルームをスプーンで数回すくい、

「これ好きなんだ♪」と喜んで

ホットチョコレートの上に浮かせていました。

この紳士には奥さんがいるのですが、ずっと入院しているとのこと。

息子さんたちも別に住んでいているとも言っていました。

普段、話す相手もいなく、

さみしいのだろうなぁ、となんとなく感じました。

エピローグ

冬は日が暮れるのが早いです。

午後4時ぐらいでしたが、

日が沈みあたりが薄暗くなってきました。

カフェもそろそろ閉店時間になります。

わたしは目的地へ、

紳士はモートン・イン・マーシュの自宅へ帰る時となりました。

私がバスに乗り遅れることがなかったら、

私があのティールームでなく別の場所でお茶を飲んでいたら、

私が紳士と離れた席でお茶を飲んでいたら、

この出会いはなかったでしょう。

見ず知らずの旅行者の私に親切にしてくださいました。

一期一会。

今頃、あの時の英国紳士はどうしているのでしょうか。

ホットチョコレートを飲むたびにふと、思い出すでしょう。

人にもやさしくしようと決めた日となりました。






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