スコーンには、たっぷりのクロテッドクリームとお気に入りのジャムをたっぷりとのせて。想像するだけで幸せな気持ちになります。しかしジャムを先にのせるか、クロテッドクリームが先か、迷ったことありませんか?どちらが正しい食べ方なのでしょうか。
これを読めばスコーンの食べ方に、もう迷いません!
はじめに、クロテッドクリームとは?
クロテッドクリームとは、スコーンを美味しく食べるためには、なくてはならない!特別なクリームです。イギリス南西部に位置するコーンウォール州(Cornwall)とデヴォン州(Devon)それぞれの地域に伝わる伝統的な手法で作られた乳製品で、乳脂肪分が60%もある濃厚なクリームです。
それぞれ「コーニッシュクリーム」、「デヴォンシャークリーム」と分けて呼ばれています。
日本の英国展などでよく売られているクロテッドクリーム「ロダス(Rodda’s)」は、コーンウォールの老舗乳製品会社が製造しており、生産量は世界一です。低温殺菌生乳を100%使用しています。
作り方はまず生乳を、遠心分離でクリームとスキムミルクに分けます。そして、分けてできたクリームを弱火のオーブンで煮詰めるといった伝統製法でできあがります。このクリームを低温で温める際に、表面に黄色の膜ができますが、「クラスト」と呼ばれて、乳脂肪分の一番豊富なところです。シルキーな舌触りと濃厚なクリームを閉じ込める落し蓋の役割をしてくるのだそう。このクラフトができるクロデッドクリームこそが本物のクロデッドクリームなのです。(ロダス社のクロテッドクリーム説明文より)
コーンウォール州とデヴォン州のクロテッドクリームへのプライド
クロテッドクリームが主に製造されているコーンウォール州とデヴォン州ですが、両州は長い間あることで決着がつかないままになっています。それは、
ジャムファースト か ?
クリームファースト か ?
つまりスコーンに乗せるのはジャムが先か?クリームが先か?ということなんです。
コーンウォール州では、「ジャムファースト」。
ジャムが先で、クリームを後に乗せるのが正しい食べ方とされており、
デヴォン州では、「クリームファースト」。
クリームが先で、ジャムが後に乗せるのが正しいとされています。
両州ともクロテッドクリームの名産地です。お互いに譲らず自分たちの食べ方が正しいと、なかなか決着がつかないままです。
結局どちらが正しい食べ方?
先のロダスのクロテッドクリームはコーニッシュクリームですので、ジャムファースト派となるわけです。しかし結局のところ、どちらでもOK。場所によってジャムが先か、クリームが先か、作法が分かれているだけなんです。最終的には好みの問題となります。どちらが先でも間違いではありません! ちなみにエリザベス女王は「ジャムファースト」だったそうです。
ただし、注意してください! コーンウォール州でスコーンを食べるときは「ジャムファースト」、デヴォン州で食べるときは「クリームファースト」にしないと面倒なことになるかもしれません。
おまけ、スコーン発祥はどこ?
スコーンの発祥はスコットランドと言われています。スコットランドの首都エジンバラから北に車で約1時間のところにパース市があります。この市街にスクーン宮殿(Scone Palace)と呼ばれる宮殿があり、The Stone of Scone (スクーンの石)と呼ばれる四角形の石がありました。この石は、歴代のスコットランド王の戴冠式の際に使われてきていて、とても大切な石として扱われていました。現在、宮殿にあるのはレプリカで、本物はエディンバラ城にあります。わたしたちが食べる円形のスコーン(Scone)は、もともとはこの四角形のスクーン(Scone)の石が由来なのです。エジンバラ駅のすぐそばにラグジュアリーホテル「ホテル ザ・バルモラル・ホテル」がありますが、こちらのホテルのスコーンは四角形をしています。
ジャムが先でも、クリームが先でも、人目を気にせずにあなたが一番おいしい!と思える食べ方をするのが大人女子の食べ方です。Have a nice scone time!