イギリス、特にロンドンにはたくさんのティールームがありますね。ところがイギリス北部のヨークシャー州にしかない老舗があるのはご存じですか?ティールームと言ったら「べティーズ」というほど、ヨークシャーの人なら誰でも知っているべティーズティールームをご紹介します。
Bettys/べティーズ本店
ヨークシャーの人なら知る人ぞ知るべティーズティールームですが、本店はHarrogate(ハローゲート)に位置します。ハローゲートは温泉が湧き出ておりスパ・タウンと呼ばれ、保養地としても知られています。
電車での行き方は、ロンドン・キングスクロス駅から出発し、中世の面影が残る街として人気のYork(ヨーク)駅にてローカル線に乗り換えます。乗り換え時間も入れると片道約3時間の道のりです。
ロンドンキングスクロス駅→ヨーク駅 (約1時間50分)
乗り換え
ヨーク駅 → ハローゲート駅 (約30分)
電車が出発するプラットフォームは電子掲示板で確認します。
きれいな田舎の景色を眺めながら約30分、
ハローゲートに到着です。
雨がぽつぽつと降りだしてきました。
ハローゲート駅からべティーズは300m程の距離、徒歩圏内です。
到着しました~。
まだ開店して間もない午前中でしたが、すでに行列ができています。
通常ですと1時間や2時間は待つといわれるぐらい人気店なんですよ。
この日は30分ぐらいで店内に入れましたが、12月の寒い冬でしたので寒かったです。
店内に入った時は暖かくてホッとしました。
クリスマスシーズンということもあり、デコレーションはクリスマス仕様です。
メニューです。何を注文しようかな、とウキウキです♪
べティーズティールームの歴史
さて、べティーズはヨークシャーで有名なティールームですが実は始まりはイギリスでないのです。注文の品が来る前にチョッとだけべティーズの歴史について説明しますね。
べティーズの創業者はFritz Butzer。1885年にスイスで生まれました。Fritzの両親はスイス、ベルンに近いLindenbachという街でベーカーをしていました。ベーカーの家で育ちましたので彼自身もベーカーの道を進むことになりました。しかし家を継いだわけでなくスイス国内やフランスで修行をし、いつの日かイギリスで自分の店を出すという夢をもちました。
1907年にFritzはイギリスに渡りました。ところが行く予定だった住所が書かれた紙を失くしてしまいました。覚えているのは何となく耳に残っている街の名前だけ。その記憶された音と似ている街の名前だけを頼りにヨークシャー地方のBradfordへ向かったのです。そして彼はスイス人経営のコンフェクショナリーで働くこととなりました。
修行を重ねた後、FritzはHarrogateに引っ越しました。そこで住んでいた大家さんの娘と恋に落ち結婚をしたのです。この出会いが彼の運命を変えました。奥さんの家族は経済的に裕福だったため彼のビジネスを支援してくれる事になったのです。そしてついに1919年7月17日にFritzはイギリスで自分の店をオープンするという夢をかなえたのでした。もちろんFritz自身の実力とビジネスセンスのおかげもあり、事業は拡大し100年続く人気ティールームとなったのでした。
Bettysで食すランチとケーキ
おなかペコペコ、お昼時でしたのでランチメニューを注文しました。
パンと紅茶がついたスープセットです。
メニューに 「ヨークシャー・ファット・ラスカル」と載っていたので店員さんに
これは何かと尋ねたところ、ヨークシャー地方のスコーンだ、とのこと。
気になったので注文してみました。
出てきたのはこちら↓
顔みたいに見えますね。
Fat Rascal ファット・ラスカルという名前のスコーンです。
英語でFatファットは「脂肪」、Rascalラスカルは「いたずらっ子、生意気」という意味があり
太ったいたずらっ子の顔という感じでしょうか。ドライフルーツがたくさん使われていてずっしりと重たいスコーンでした。
こちらはケーキ。
おなか一杯のはずでしたが、せっかくなのでケーキも注文することにしました。(笑)
いろいろあって迷いましたがレモンカードケーキを頼みました。とっても甘かったです。
私の座っていた席の後ろにはグランドピアノが置かれており、ピアノの生演奏を聴きながら優雅にランチをいただくことができました。
店内は広く、メインのフロアの他に、別続きのお部屋もあります。
ソファ席、長椅子席などありますが、店員さんが席に案内してくださいます。
たくさんのお客さんで店内はガヤガヤにぎやかです。
スタッフたちもトレーニングされていて気持ちの良い接客でした。
1人でも居心地がよかったです。
トイレもきちんと清掃されていて、きれいでした。
ヨークのBettys
イギリスのヨークシャー地方に展開するべティーズティールーム。本店のハローゲートの他にも店舗があります。ロンドンに戻る途中のヨークで下車し行くことができます。
観光地として人気のヨーク店も人気で、列ができていましたよ。
お昼にたくさん食べてしまいなんとなくお腹がすいていなかったため、
こちらではコーヒーのみをいただきました。
お洒落なコーヒーポットですね。
帰りにお土産も買いました。
イギリスのクリスマスのお菓子といったらミンスパイ♪ということで
この時期にしか買えないミンスパイを購入。
帰りの電車の中で食べました。
おまけ
ヨーク市内にはシャンブル通り近くにもう一店舗あります。
こちらはこじんまりとしたお店ですがティールームもありました。
時間がなくお茶はできなかったのが残念。
そしてさらに残念なことはこちらのお店は2023年現在、クローズとなっています。
その他、ヨークシャ地方内に3店舗あります。いつか全店舗訪れてみたいです。
いかがでしたでしょうか。
今回はイギリス北部にある老舗ティールームのご紹介でした。お時間があったら是非行ってみてくださいね。
参考
ハローゲート本店:1 Parliament Street Harrogate HG1 2QU
ヨーク店:6-8 St.Helens Square York YO1 8QP